金沢に古より伝わる遊びといえば「旗源平」である。
これは店にあった戦前の旗源平。
「旗源平」は子供らが源氏と平家の二手に分かれ、二つの賽子を振って、出目により相手方の旗を争奪する遊びだ。
最後に相手方の最高位の纏を奪った方が勝ちという単純な遊びなのだが、出目の呼び方に特徴がある。
賽の目 唱え方 取れる旗
1ゾロ チンチンカモカモ 小旗2本
1と2 チンニ 小旗1本
1と3 チンサン 小旗1本
1と4 チンシ 小旗1本
1と5 ウメガイチ 中旗1本
1と6 チンロク 中旗1本
2ゾロ ニャアニャア 小旗2本
2と3 ニサマノカンカンド なし
2と4 シノニ 中旗1本返還
2と5 ゴニゴニ なし
2と6 ロクニ 小旗1本
3ゾロ サザナミ 小旗2本
3と4 シサマノカンカンド なし
3と5 ゴサマノカンカンド なし
3と6 ロクサン 小旗1本
4ゾロ シュウジュウ 小旗2本
4と5 ゴッシリハナカミ なし
4と6 シロク 小旗1本
5ゾロ ゴンゴ 小旗2本
5と6 ゴロク 小旗1本
6ゾロ ジョウロク 小旗2本
といった具合だ。
和田文次郎により編纂された稿本金澤市史(大5〜昭11・全14冊)風俗編第二(上の画像は名著刊行会による復刻版)の遊戯>兒童の遊戯>旗遊の項に
「男女老幼入り交りて、源氏・平氏の二組に分れ、相對して坐し、源氏側は白旗に笹龍膽の紋をつけ、平氏側は赤旗に揚羽蝶の紋をつけ、一方の旗數は、小旗十本・中旗五本・大旗一本・纏一本にして、小旗十本は中旗一本に、中旗五本は大旗一本に値し、大旗を立て了りて、始めて纏を立つるを例とし、二個の骰子は双方一人づゝ交るゞゝその二個を同時に振ひ、その出目相同じくして、一一・六六・二二・三三・四四・五五なれば小旗一本を、一六・一五の出目なれば小旗二本を立て、若し四二の出目なれば、すでに立てたる小旗一本を取り除き、全部の旗および纏が一方より前きに立ち了る方を勝利とす、旗及び纏は、みな紙製なり、この旗遊は金澤にあれど、他國に無しといへど、如何にか、現今にても尚ほこの遊をなすこと行はる、」
との記述が見られる。
今は小学校や子供会の新年会などで伝承行事として開催されたりするだけであるが、私がまだ小さい頃は普通に家庭に一組は旗源平が置いてあり、冬などに遊んだ覚えがある。
今の子供はTVゲームやパソコンのオンラインゲームなどに夢中でこれを家庭で遊んでいるところはとんとお目に掛からなくなったのではないだろうか。
ググっていたら
これを見つけました。
フリーソフトで動作環境はWindowsXP/2000だが、旗源平は、更に「Microsoft OfficeXP」がインストールされている必要があるとの事で、かなり新しい環境でなければ使えないのかも知れない。
それにしても何故OfficeXPが入っていないと使えないんだろう?
林檎使いの私としては試す事もままならない訳である。